新しい習慣が続かないなら——「すでにやっていること」の直後にくっつける
手帳を買っても、アプリを入れても、新しい習慣は数日で忘れてしまう。足りないのはやる気ではなく、決まったきっかけでした。毎日必ずやっている動作の直後に乗せるだけで続きやすくなる方法を、研究をもとに手順にまとめました。
新しい習慣を始めようと、手帳を買った。アプリも入れた。なのに数日で、そもそもやること自体を忘れてしまう。
意志が弱いのだろうか、と落ち込む必要はありません。
抜けているのは、やる気ではありません。「いつやるか」の合図です。そして合図は、すでに毎日やっていることの中に置くのがいちばん確実です。
「すでにやること」の直後に置くと、習慣は強くなった
ロンドンの研究チームが2013年に、フロス(歯間の掃除)を新しい習慣にする実験を行いました。
参加者は50人。全員に、やる気を高める説明をしたうえで、毎日フロスを続けてもらいます。8ヶ月後まで追いかけました。
分かれ目になったのは、フロスを「歯みがきの前にやるか、後にやるか」でした。歯みがきの後に回した人のほうが、習慣として強く根づき、回数も多かった、と報告されています。
すでに毎日やっている歯みがきが、フロスの合図になったわけです。
別の研究者たちがまとめた解説でも、「昼休みに入ったら」のように、すでにある毎日の流れの中に合図を置くと、安定した出発点になる、とされています。習慣が自動的になるまでには平均で2ヶ月ほど、人によって幅が大きい、とも書かれています。
見てのとおり、新しい習慣を宙に浮かせず、すでにある動作にくっつけるだけです。
なぜ「既存の習慣」が合図になるのか
まったく新しい行動には、思い出すきっかけがありません。だから、忘れます。
でも、歯みがきやコーヒーのように毎日ほぼ必ずやる動作は、それ自体が合図になります。別にアラームを用意しなくても、毎日の流れが思い出させてくれます。
コツは「後」に置くことです。歯みがきの前に別のことを挟むと、本来の流れを止めてしまいます。すでにある動作を終えた、その直後にそっと乗せる。これがいちばんつまずきません。
「もし〜なら〜する」と前もって決めておく発想は、if-then プランニングでも扱っています。合図を「既存の習慣」にするのが、その具体的な形です。
今日から試す「くっつける」やり方
新しく覚えることは、ほとんどありません。
- 毎日ほぼ必ずやっている動作を1つ選ぶ(歯みがき・朝のコーヒー・帰宅など)
- 新しい習慣を、その動作の「直後」に置くと決める
- 「○○したら、△△する」と一文にして、紙に書く
大事なのは、最初を小さくすることです。「本を1ページ」「スクワット1回」でかまいません。小ささが、続けるハードルを下げます。
同じ合図でくり返すほど、行動は自動に近づきます。くり返しがなぜ効くかは、くり返しが習慣を作るも参考になります。習慣づくりの土台は、習慣の柱でまとめています。
意志で押し切ろうとする前に、まず「すでに毎日やっていること」を1つ思い浮かべる。その直後に、新しい習慣をそっと乗せるところから始めてみてください。
Try Today今日からやるチェックリスト
- 毎日ほぼ必ずやっている動作を1つ選ぶ(歯みがき・コーヒー・帰宅など)
- 新しい習慣を、その動作の「直後」に置くと決める
- 『○○したら、△△する』と一文にして紙に書く
- 最初は1回1分以内の小ささにして、続いてから増やす
出典・参考
- Judah, G., Gardner, B. & Aunger, R. (2013) Forming a flossing habit: an exploratory study of the psychological determinants of habit formation. British Journal of Health Psychology, 18(2), 338-353.pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- Gardner, B., Lally, P. & Wardle, J. (2012) Making health habitual: the psychology of 'habit-formation' and general practice. British Journal of General Practice, 62(605), 664-666.pmc.ncbi.nlm.nih.gov
この記事は、上記の研究をもとに構成しています。 引用・要約は必要最小限とし、詳細は原典をご確認ください。