寝る前のスマホで寝つきが遅れる——光を「暗め」にする夜の整え方
ベッドでスマホを見て、気づけば時間が過ぎている。なかなか寝つけないのは、意志の問題ではないかもしれません。寝る前の強い光は、眠気を促すホルモンを抑えて寝つきを遅らせます。ブルーライトだけの話ではありません。夜の光を暗めに整える手順をまとめました。
ベッドに入ってから、スマホをもう一度手に取る。気づくと、画面を見たまま時間が過ぎている。
なかなか寝つけない。翌朝も、頭が重い。
寝つきの悪さは、夜ふかしを我慢できない性格のせいだと思われがちです。でも、原因は手元の「光」にあるのかもしれません。
夜の強い光は、眠気の合図を遅らせる
私たちの体は、夜になるとメラトニン(眠気を促すホルモン)を出して、「そろそろ眠る時間だ」と知らせます。
このメラトニンは、光に弱い。夜に強い光を浴びると、分泌が抑えられます。
ある研究チームが、就寝前の読書を2通りで比べました。発光する電子書籍リーダーで読んだ夜と、紙の本で読んだ夜です。
画面で読んだ夜は、寝つくまでに約10分よけいにかかりました。メラトニンの出るタイミングも1時間半ほど後ろにずれ、翌朝まで眠気が残ったと報告されています。
画面だけの話ではありません。別の研究では、ふつうの部屋の明かりを寝る前に浴びるだけで、ほぼ全員でメラトニンの出はじめが遅れ、「夜」の長さが90分ほど短くなりました。
つまり犯人は「ブルーライト」に限りません。寝る前に浴びる光の”強さ”と”タイミング”そのものが効いています。
どちらも少人数を管理した実験室の研究です。効き方には個人差があり、断定ではなく傾向として受け取ってください。
図のように、夜の光を落とすと、眠気の合図が早めに立ち上がります。同じ人でも、寝る前の明るさで寝つく時刻は動きます。
夜の光を「暗め」に整える
むずかしい設定はいりません。寝る前の1〜2時間、光を落としていくだけです。
- 寝る1〜2時間前から、部屋の照明を暗め・暖色にする
- 天井の強い明かりより、手元の弱い明かりに切り替える
- スマホ・PCは画面の明るさを下げ、夜間モードにする
- どうしても使うなら、見る時間を短くし、顔から少し離す
コツは、寝る直前に急に暗くするのではなく、少しずつ落とすことです。体が「もう夜だ」と気づく時間をつくります。
朝は、逆に光を浴びる
夜に光を避けるなら、朝はその逆をします。
起きたらカーテンを開けて、明るい光を浴びる。これで体内時計の「朝」と「夜」の差がはっきりします。朝の光の使い方は朝の光で体内時計を整えるにまとめました。
日中に眠気が抜けないときは、短い昼寝も助けになります。長さのコツは昼寝は20分までが参考になります。
眠れない夜が続くときは
最後に、ひとつだけ。
光を整えても、眠れない状態が何週間も続くときは、光だけで抱え込まないでください。生活習慣や体の不調が関わることもあります。気になるときは、早めに専門家へ相談してください。
体の整え方は健康の柱でもまとめています。
今夜はまず、寝る1時間前に部屋の明かりをひとつ消すことから始めてみてください。
Try Today今日からやるチェックリスト
- 寝る1〜2時間前から、部屋の照明を暗め・暖色にする
- 天井の強い明かりより、手元の弱い明かりに切り替える
- スマホ・PCは画面の明るさを下げ、夜間モードにする
- どうしても使うなら、見る時間を短くし、顔から少し離す
- 朝は逆に、起きたらすぐ明るい光を浴びる
出典・参考
- Chang, A.-M., Aeschbach, D., Duffy, J. F., & Czeisler, C. A. (2015) Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. PNAS, 112(4), 1232-1237.pmc.ncbi.nlm.nih.gov
- Gooley, J. J., Chamberlain, K., Smith, K. A., et al. (2011) Exposure to Room Light before Bedtime Suppresses Melatonin Onset and Shortens Melatonin Duration in Humans. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 96(3), E463-E472.pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
この記事は、上記の研究をもとに構成しています。 引用・要約は必要最小限とし、詳細は原典をご確認ください。